俳句会 IN蕉
会員全句集


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2023年度
スバシリのたゆる水面や春の風
つかの間の花人となり赤信号
バレンタイン量より質と諭す兄
飽きもせず雨戸開け閉め春の雪
歯磨き粉絞りつくして二月かな
お年玉兄の袋をのぞきけり
啜る蕎麦想うは郷の細雪
初詣二拍の後の長きかな
三文の徳を超えたり初日の出
初東風や梢の先に紅見っけ
大廊に入るか去ぬるか秋茜
名月や今日の湯張りは遅くなり
秋風にページめくられ寝ぼけ顔
朝顔の種採り人が母の手に
秋風や髪すく指の指輪痕
踏む峰や群れには遠きイワシ雲
一番は我が家となりし夏の旅
今朝の秋雨戸の外の雀かな
花咲きて急ぎ切らるる藪枯らし
潮騒が主役となりて新松子
旅路前じいじに託す金魚鉢
初蝉のじいじと呼びて雨上がり
白浴衣少女もしばし女なり
お中元宛名の主は施設かな
じいちゃんの家に合宿と梅雨あがる
初ツバメ板一枚のおもてなし
古希祝う船上の古酒花筏
飽きもせず姿見覗く新入生
路地裏にそぼふる雨や百千鳥
冴え返る開店前の日向かな
2024年度
春の日や終日たゆたう飼い葉桶
古年の栞めくりて春浅し
咲きて四分散りの六分で桜かな
春光や絵馬を探して笑み返し
望む雨降れば心は散り桜
天空に魚探欲しきやいわし雲
秋風や瓶に足されしシーグラス
柿の種植へて余生の道しるべ
金泥の折り目ふやけし秋扇
蜩も景色となりて茶の湯かな
秋暑し俥夫の背中や古都の風
静寂やつまむ花火の落ちるまで
初蝉や止まる窓辺の馬鹿笑い
語り部の記憶をつなぐ蝉しぐれ
聞けば忌み聞かねば思ふ蝉の声
2025年度
春夕や予約叶わぬテラス席
信号を待つ身忘れて初燕
風薫る樹下に花咲く無駄話
春の宵女神輿のいなせ足袋
四季織のかほり重ねて初ガツオ






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