俳句会 IN蕉
会員全句集


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ヒサ
2023年度
満開の紅梅に人佇めり
板海苔をパリパリ朝の一人食
友からの干し柿卓に咲く話題
救急車鳴り響く夜や底冷えす
春寒やダンボールベッドの能登想う
初採れの香りを調理蕗の薹
木漏れ日の中の我が陰冬木立
鏡見る夫のコートの捨てられず
妹遺きし後の淋しさ風花す
節分の大豆ご飯に母偲ぶ
凍て空の災難事故に憂いひけり
書初やちびれた筆のかすれ文字
タクシーの訛り懐かし年の暮
雪道を馳せ面会の十五分
年新た日記家計簿気も弾む
青天へ大根十本行儀よく
レモンもぎシフォンケーキで子等招く
ブロックの穴よりのぞく野菊かな
冬の月眉の如くに微笑みぬ
冬晴れや一直線の飛行機雲
刻々と迫りくる老い秋深む
円卓を囲む日曜おでん鍋
柿紅葉友の形見を握りしめ
凩や猫は施設の友を待つ
秋日和足の弱りのもどかしく
朝食の菜園に摘む秋菜か
蜂の巣やいなくなるまで待ちし日々
庭の菊墓参りにはまだ咲かず
新涼や一気に動く朝仕事
更衣おしゃれ心の老いてなほ
会う人の挨拶一番炎暑から
片陰を行き交う人は皆スマホ
収穫を供え今宵の月を待つ
新じゃがをじっくり煮込む外は雨
さわやかな大樹の風を受くる朝
秋立つや孤独を癒すリス親子
短夜を惜しむ読書や賢治の死
目覚めれば日暮しの声身にしみる
亡き母の夏の柳川鯵に化す
葉を摘みて柿葉ずしを今年また
鎌倉や行き交う人の夏衣
枇杷を食むぼろりぼろりと種ふたつ
家事終えてほっと一息新茶汲む
夕立や時には杖となりし傘
夏めくや野島は磯の香り吹く
梅雨寒や保温節電鍋帽子
きらきらと雨粒光る濃紫陽花
春光を浴びたる子等やみすゞの詩
母の日や渋茶羊羹なお旨し
万緑や小鳥ふらふら風波に
外に出て巡るも楽し春の庭
庭隅の芍薬大き花をあげ
惜春や今なお続く食日記
庭の蕗香りを立てて卓の上
鯉幟タオルも共に吹かれをり
花ざかり見上げ動画を古里へ
寝る前の再点検やおぼろ月
真っ青なる空へ花びら舞いあがる
花冷えや一人に届くライスカレー
にぎやかに友と御膳や桜鯛
2024年度
雪予報外れて友とハイキング
草も木も春光溢る中にあり
朝冷えの洗顔ポットの湯に目覚む
麗しき富士を眺めて墓参り
パエリアや絞るレモンの春立ちぬ
身に凍むやテレビ相手に一人酒
純白に真青の目立つ七草粥
生きること気力なりけり年新た
冬晴れや木守柿見ゆバス通り
ふと気づき句を書きとむる夜長かな
初夢は子どもの頃の思い出と
年毎に手抜きの多くおせちかな
やることのまだまだ多く年迎ふ
夜更けまで準備いろいろ年の暮
思い出の冬コートの捨てきれず
秋うらら健診結果異常なし
老いの身の今年限りと煤払ひ
冬至日や無病祈願南瓜食ぶ
冬日和石段研きあと二段
友からの万華鏡の美秋一日
頂きし富有柿子等とうまかりし
秋展やマウスアートの紅沁みる
夕食に一味優るスダチかな
老いてなほ気づくこと多し秋の暮
寒暖の秋クローゼットの入れ乱れ
朝食に庭の秋菜を補いぬ
夕風にそよぐ芒や憩ひけり
読経のこぼるる寺や秋立ちぬ
朝のうち草取り急ぐ老一人
一面のこぼれ萩満つ空家かな
実り供え見上げて拝し月見宴
蝉しぐれ日増しに終の声ひびく
秋の夜や暴走族の音止まず
秋時雨信号待つとりどりの傘
偉大なるもくもく迫る入道雲
片陰をひろひて皆一列に歩む
カッカと又トマト好きのリス親子
絵すだれの間々に風受く八百屋かな
しゃぶしゃぶの真青に踊る新若布
買い物の袋どさりと猛暑かな
巡礼のきびしさに耐ふる春遠し
打ち寄する波春光を放ちつつ
ほたるいか目と目が合いてにらめっこ
春惜しみつつ人生を楽しまん
友を待つ柏餅香を放ちけり
まさをなるエニシダ垂るる路地裏に
春日より断捨離急ぐ日々なりし
頂きしメスの筍美味なりし
母の日や子等の招きに装いて
いかなごのくぎ煮名人偲びけり
蕗味噌をつけて旨しや焼にぎり
夜桜や灯に光る雨の粒
春疾風佇めならず千鳥足
春野菜光も共にたしなみぬ
行く春や友の船旅今いずこ
2025年度
鳥遊ぶ窪みに積もる桜蕊
雨止みぬ鶯庭に鳴き交わす
山間の山吹の花ほのかなり
蔦強く螺旋登り空青し
種を蒔く朝日背中に貯めながら
満開の花吹き上ぐる暴の風
はらはらと部屋の中まで桜散る
夜桜やライトアップに魅せられて
苦味よし料理さまざま蕗の薹
夜桜や灯りの中に散り惜しむ




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