記念名句


記念名句

落葉踏む人それぞれに踏む歴史 弘棋
こすもすの風掴まんと色乱れ あきこ
狭まりし歩幅に優し春の土 五郎
悔いなしとしたため逝きし冬の朝 きょうこ
初日の出待てども待てど雲多し
終戦忌途方に暮れた十三歳 啓子
八寸のただ八寸の秋深し
枯れ蓮門の児の手に銀の猫 雄蕉
交番に道を問いたげ赤蜻蛉 弘棋
新幹線実りの秋に突入す ヒサ
行くほどに細くなる道陽炎へり あきこ
桜見る隙間残して雨戸閉む きょうこ
ぽつねんと猫の秋思のあるらしく 五郎
木下闇義経堂に手を合わす
白桃を剥く指先に蜜香る あきこ
出来秋を所狭しと道の駅 啓子
名月やさかさまに振る空財布 雄蕉
待たずとも今日は主役ぞ返り花
しゃぼん玉ふんわり飛んで草の中 ヒサ
声明の僧の後追うオニヤンマ 雄蕉