俳句会 IN蕉
会員全句集


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雄蕉
2023年度
エイプリルフール猿の惑星見て涙
なぜうまい田舎ラーメン山の春
四月馬鹿自由の女神横たわる
レガッタの華夏寇満ちるシナの海
彼岸入り昼食抜いてスカッとする
春虚ろ守銭奴はただ喚くなり
恋するや南を目指す春帽子
春浅しはしゃぐ女の若返り
内蔵助雪の別れを押し殺す
十和田湖の乙女や春を木霊せり
青森の夜はドレス着る雪女
節分の鬼も疲れる陽いずる国
魔術師が国の借金雪おろし
マフラーと写真と銃を撃つ男
超常に美女現れる春を待つ
夏過ぎて冬来たるらし里の熊
ヒトの世に熊が乱入冬ざるる
初夢や天才サトシ世に出でよ
ガザ受難聖地は嘆く聖夜の死
年の暮国家は地より浮き上がる
空っ風世界の地図を吹き飛ばす
許せないこと増え死ぬに死ねず冬
世間体冬満月に脱ぎ捨てる
欧州に渡る木枯らし橋も無し
冬一番欧州の夢消えるかな
秋の暮山野に帰る墓じまい
生活のリズムは霧に物価高
本籍は誰も住まない芒原
吊るし柿不明ポイントあふれ出る
虚ろいや雲間に隠る月の顔
姫神の琵琶湖を揺らす白の月
押し寄せる鬼の日本海赤の月
大阪に維新押し上げ黄の月
沈みゆく東京を焼く紫の月
富士山を蹴って躓く青の月
終戦忌無音の空に刻みけり
終戦忌転じて祝う不戦の日
秋の竿オノゴロ島の地固まる
大リーグ兜雄叫び秋の陣
浮世絵をどこまで歩く秋扇
暗闇に心が開く花火なり
白百合の余生や古都のバーマダム
逢えなくば岩も砕けよ神の夏
向日葵の叫び振り振るハンカチーフ
老いの夏ジグソーパズル収まらず
夏の夜の声なき声を聴く女
木下闇大阪城に並ぶ首
梅雨冷えもあちこち痛い温暖化
蛍狩り三界を去る木偶の坊
官邸の蜘蛛の糸はや切れる時
草刈れば茅葺小屋に煙立つ
雨風に負けない体海開き
夏帽子いつも笑顔で澄む女
日照りにはおろおろ歩く木偶の坊
夏安居は野菜玄米味噌少し
撮影に背き背かず春の猫
一人静闇より戻り二人かな
名を継げば相似て嬉し春の空
筆取りて好きや嫌いや春の雨
お澄ましやよく笑う児の春の夢
2024年度
桜花太平洋に沈みけり
杜甫と逢う長生の春爛漫と
春を消す魔法使いの齢なり
春の海言い足りずただ別れけり
たむろする大師遍路の渇きかな
竜天に登る天下に叱られる
スマホ手に暇暇で魚氷に上る
鷹鳩に化すや女の言ひとつ
いつの世も踏み絵の重み生き残る
創世の旅書き直す春のガザ
新年や巨大な無知のご来臨
幣を振り穢れ吹き飛ぶ納め札
能登の華右往左往で雪の下
神棚に三百年の初日の出
門松に望みこめたる詫び住まい
シングルマザーの涙や恋やクリスマス
雪静か積もるも難儀方丈庵
コンビニの屋根は富士山雪景色
ゴミ漁り人だかり見る寒烏
大晦日澄み渡る世のメゾソプラノ
運命の冬敲く匙無き政治
チェロの音で愛のダンスの小春日和
バイオリンエフ字孔から冬茜
無精ひげ生やす黙ってラグビーファン
トランペット頬に木枯し散らしける
好き嫌い選挙は罪に破れ蓮
広島にどんとノーベル平和賞
世渡りはさらりと交わす文化の日
浦島を呼び込む女冬近し
尽きぬとも俳句の縁の夕紅葉
大和路の旅ゆく人も秋の貌
うまい声テレビを消して秋の夜半
落ちついた昔の顔や秋深む
流れ星夢から聴いた天の声
俳画付き掛け軸無くて秋の暮
断簡の筆文字光る宵の月
円安の淵の日本や月通る
虫すだくあちこち浮かぶ無力感
身の丈に合う寄合や村の月
月上がる先祖話で盛り上がる
冥府までデジタル切符閻魔王
織姫逃げる超新星のベテルギウス
銀河行く冥途の列車まだ土星
冥途旅故障発生月止まり
成仏はお預け閻魔嘆くなり
迎え火も悪行なりや卑弥呼さま
怪人がうろうろ空き家増えし夏
生類憐み野焼き禁止の草を刈る
渋谷から夕蝙蝠の轟や
赤道の夏を引き寄せ白幽子
黒く塗れ白紙の地図にガザの夏
宮中を狙う雷雲の淵
鯉のぼり空飛ぶ車見当たらぬ
面智男雲を読み解く愉悦入道雲
タマネギを剥いて残りし者なりし
菖蒲咲く声を落とすや琵琶法師
夏来たる祇園の鐘を聴く夜かな
五月晴れ籠もるゲームは国家なり
モナリザはにっこりビール飲めという
沙羅双樹咲かぬ女の笑顔かな
2025年度
お茶漬けを奈良でいただく五月かな
議事堂は白河夜船初夏の宵
バナナ食う猿の笑いや仏顔
奈良京に鎌倉初夏の陽は陰る
世のために逃げるお金や白芙蓉
新月に卵を立てる春深し
まだ春か双眼鏡の世に余る
名残惜し李白も去るか春の宴
清明やごろん悟りの猫になる
みどりの日すべり発掘昭和の日








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